ゆる大学☆くらしのちぐはぐ研究室

くらしのちぐはぐ研究室は、
知的障がいのある人たちが それぞれのくらしの中にある
さまざまな疑問や違和感=「ちぐはぐ」について
みんなで話したり、演じたりしてみるプログラムです。
演劇家の柏木陽さんと一緒に
くらしの「ちぐはぐ」について、みんなで話し合いました。
初回に出たのは、LINEによる「ちぐはぐ」。
ある日、友達から犬の画像が送られてきました。
その後に「かわいいでしょ?」とLINEが来たので
「かわいいね!」と返信したところ
「セクハラされた!」と大騒ぎになってしまったというエピソード。
こうしたLINE上での言葉でのやりとりは、誤解が生じやすく
うまく想いが伝わらずに相手と険悪になってしまうなど
日常的な悩み事にもなっているようで
参加者から次々とLINEにまつわる「ちぐはぐ」話が出ました。

「セクハラ」と言えば、昨年度も動画制作されたテーマですが
今回も異性関係の「ちぐはぐ」が2つほどテーマにありました。
ひとつは、見るに見かねて殴り合いのケンカをしている人たちの仲裁に入ったら
「私のことを好きだから、ケンカ(相手)を止めた」と勝手に思い込まれ
周りの人に言いふらされてしまったというエピソード。
ある支援センターでの出来事だといいますが
職員が介入してくれなかったこともあって誤解を解くことができず
困り果ててしまったとのことでした。

もうひとつは、お付き合いをしている彼女のこと。
彼女が久しぶりに異性の友達と再会した際
ハイタッチだけでなく、肩をさわられたり、手を握られるという行為をされ
彼女は嫌がる様子はなかったもののの、本人は大きな違和感を抱いたというもの。
このエピソードが出た時、ボディタッチへの是非は大きく分かれたが
学校や支援センターで「異性とは片手1本分離れて近づかない」と教え込まれ
触るなんて論外と言わんばかりの反応をする当事者もいました。

友達関係の「ちぐはぐ」では
話の仲間に入りたいのに「入れて」と素直に言えずに
「うるさい!」と怒鳴ってしまうエピソードと、

話をきいてもらえずにどうしたらいいかわからなくなってしまった
というエピソードが動画に採用されました。
本当の気持ちを素直に伝えることの難しさは
障がいの有無に関係なく多くの人が感じているところではないかと思いますが
自分のありのままを認めてもらいづらい社会の中では
拒絶や非難されることを経験をしている障がい当事者も多く
「素直に話をしても、どうせ聞いてもらえない」と考えてしまっていたり
素直に気持ちを話そうと思うと、否定されたときのトラウマがよみがえって
イライラしてしまうような話をする障がい当事者もいました。

5つのエピソードをもとに、みんなで演劇。
できあがった動画がコチラです。
あなたならどうしますか?
◆主催:NPO法人障がい児・者の学びを保障する会
◆講師:柏木 陽(演劇家)
◆ボランティアスタッフ:1~2名(演劇家)
◆参加者:延べ93名(8回合計)